ICCSim Dev
ICCSim カード上で動作する独自テストスクリプトを作成する開発ツールです。TMat が既存のブランド試験を実行するのに対し、Dev はカード側の動作やデータを自由に作り変え、異常カードやネガティブ試験用のプロファイルを開発します。
解決する検証課題
ブランド標準の試験スイートでは作れないカード条件を、自社で用意できます。必須タグ欠落や不正フォーマットなど、意図的に異常なカードを作ってPOS/ATM側の挙動を確認できます。
開発できる範囲
既存スクリプトの流用、実カードのクローン、ゼロからの新規作成に対応します。
| 観点 | カバー範囲 |
|---|---|
| スクリプト作成方法 | 既存ICCSimスクリプトのインポート / 物理テストカードを読み取りクローンをテンプレート化 / Card Configuration と Building Block から新規作成 |
| 編集範囲 | スクリプト内の任意のEMVタグまたはバイトを変更可能 |
| 作成できる異常カード例 | 必須タグ欠落 / 不正なタグ長・フォーマット / 非対応AID / 異常なAIP・AFL・CVM List / PANとTrack 2の不整合 / 期限切れ / オンライン強制 / オフライン拒否 / AAC・ARQC・TC分岐 / 不正Status Word / SDA証明書異常 |
| 補助機能 | Tag Change Facility / DES Calculator / Certificate Generator / Card Data Capture・Cloning |
| プロジェクト構造 | Test Scripts(動作シナリオ)/ Components(共通ブロック)/ Data Tables(タグ・値・暗号データ)/ Output Directory |
| 出力 | 作成したスクリプトをICCSimカードへダウンロードしてPOS/ATM試験に使用 |
| インターフェース | 接触 / 非接触 / デュアル |
対応端末・環境
作成したカードは開発・デバッグ・QA・回帰試験に使用します。POS/ATMの実機に対して独自プロファイルを提示できます。
認証本番は ICCSimTMat(認定スイート)で実施。開発段階の作り込み・デバッグ用途。
認証上の制限
ICCSimDev で作成した独自スクリプトは、開発・デバッグ・QA・回帰試験には有効ですが、作成しただけでブランド認定テストケースになるわけではありません。正式認証では、対象ブランドが承認した TMat のテストスイートと所定のテストケースを使用します。
証明書を再生成した場合は、通常のブランドCA鍵ではなく独自テスト鍵を使用するため、対応する新しいCA公開鍵を試験端末へロードする必要があります。ICCSimDev で作った独自証明書は、そのまま市中の本番端末で認証されるものではなく、端末側も専用テスト鍵構成へ変更した閉じた開発環境で使用します。
ICC Solutions 製品の使い分け
汎用の ICCSimTMat、Fiserv専用キット、Worldpay専用 VIABLE は明確に分かれています。
| 比較項目 | TMat | TMat for Fiserv | ICCSimDev | Merchant Cards | VIABLE |
|---|---|---|---|---|---|
| 汎用/専用 | 汎用 | Fiserv専用 | 汎用開発 | 汎用簡易カード | Worldpay専用 |
| 主対象 | ベンダー・ラボ・アクワイアラ | Fiserv加盟店・ISV | EMV開発者 | 店舗・保守・教育 | Worldpay加盟店・ISV |
| Level 2 | 対応スイートあり | 主にL3 | 独自開発試験 | 不可 | 主にL3 |
| Level 3 | 対応 | 対応 | 正式認証用ではない | 不可 | 対応 |
| ホスト連携 | 外部またはシミュレータ | Fiserv Portal連携 | 目的外 | テストホストが必要 | 内蔵閉ループ |
| ネガティブ試験 | ブランドケース範囲 | Fiservケース範囲 | 自由度が高い | 限定的 | Worldpayケース範囲 |
| 自動解析 | あり | あり | スクリプト開発中心 | なし | あり |
| 認証提出 | スイートによる | Fiserv向け | 原則不可 | 不可 | Worldpay向け |
| PaytestProbe | 対応 | 対応 | 生成カード中心 | 非対応 | 対応 |
工程で見る製品の位置
カード発行側の Barnes 製品と ICC Solutions 製品は競合ではなく、工程が異なります。
| 工程 | 製品 | 目的 |
|---|---|---|
| カード発行側 | Barnes CPT | カード内データ・証明書・EMVタグ・磁気データを検査 |
| カード・端末開発 | ICCSimDev | 異常カード・独自カード・ネガティブ試験を開発 |
| 端末カーネル | ICCSimTMat Level 2 | EMVカーネル/Reader Application を検証 |
| 完成POS・ATM | ICCSimTMat Level 3 | ブランド統合試験 |
| 特定アクワイアラ | TMat for Fiserv / VIABLE | Fiserv/Worldpay の認証工程 |
| 店舗配備後 | Merchant Test Cards | 簡易確認・回帰試験・スタッフ教育 |
ご提案前に確認する項目
構成を確定する前に、次の点を伺います。
| 区分 | 確認事項 |
|---|---|
| 試験範囲 | 接触・非接触・磁気のどこまでか/Level 2、Level 3、または両方か |
| 対象 | POS・ATM・Tap to Phone・Transit・Fuel のどれか/対象ブランドとテストスイートの正確なバージョン |
| 接続先 | Fiserv・Worldpay・その他アクワイアラのどこへ接続するか |
| 方式 | 物理ICCSimカード方式か PaytestProbe 方式か/フォールバック試験用の物理カードが含まれるか/Host Simulator が必要か |
| ライセンス・保守 | 初年度以降の保守料金と更新停止時の扱い/テストカードの有効期限/ブランド認定スイートと開発用スクリプトのライセンス区分 |
| 自動化 | Auto API とロボット連携の API 仕様/ICCSimDev で生成したカードと TMat の互換性 |
| 国内要件 | 日本国内アクワイアラ向けの個別 L3 テストプランが提供されるか |
日本市場では「国際ブランドの L3 スイートに対応していること」と「国内アクワイアラがその結果を認証として受け付けること」は別問題です。ブランド・アクワイアラ・決済ゲートウェイ・端末構成の4点を確認したうえで製品構成を確定します。
選定ガイド — ICC製品のどれが合うか
ICCの製品は「認証を通す」「開発で確認する」「店舗で確認する」で分かれます。
| 製品 | こういう検討なら |
|---|---|
| ICCSimTMat | ブランド認定(L2/L3)を正式に通す。受入試験を認定スイートで管理・実行したい |
| ICCSimTMat for Fiserv | Fiserv経由の加盟店・ISV認証。ポータル連携でテストログを直接アップロードしたい |
| ★ ICCSimDev(本ページ) | 独自カード応答や異常条件を自作したい(ネガティブ試験・デバッグ用) |
| VIABLE | 実店舗構成(クローズドループ)で加盟店・ISVの受入試験をまとめて行いたい |
| Merchant Test Cards | 物理カードで端末構成の確認・回帰・店員トレーニングをしたい |
| 試験・認証サービス | 自社で試験を回さず、認証取得まで任せたい |
導入用途
- 新規開発時の L3 検証立ち上げ
- 構成変更・アップデート後の回帰
- 認証取得に向けた前段の網羅確認
認証との関係
開発・デバッグ用のツールです。正式なブランド認定は ICCSimTMat の認定スイートで実施します。
