CAT 3000v3
CPT の検証機能に、Tcl による独自テストスクリプト開発環境を追加した構成です。発行者独自タグ、独自APDUシーケンス、Java Card アプレット、ネガティブテストなど、標準スクリプトの範囲外を自社で記述できます。
解決する検証課題
CAT 3000v3は、13.56MHzのRF物理層。EMVCo L1 は Analog(物理・電気/無線)と Digital(プロトコル符号化)の両方を含みます。信号チェーンの入口。このフェーズで発生しがちな抜け・属人化・再現性の問題を、体系的な試験で解消します。
検証範囲
CPTの検証機能に、Tclによる独自テストスクリプト開発環境を追加した構成です。
| 観点 | カバー範囲 |
|---|---|
| 開発言語 | Tcl(Tcl API・サンプルスクリプト・ICカード操作用プロシージャライブラリ・API文書を提供) |
| 記述できる処理 | SELECT・READ RECORD・GET DATA 等のAPDU送信 / 応答解析 / TLV構造検査 / 条件分岐 / 複数アプリの連続試験 |
| 判定・出力 | Pass / Fail / Warning / Observation の生成 / Result Tree 表示 / Engineering Log 出力 / 独自レポート生成 |
| 向く用途 | 発行者独自タグ / 独自APDUシーケンス / Java Card 独自アプレット / 電子ID・PKI・ロイヤルティ / ネガティブテスト・異常レスポンス試験 |
| 複合カード | EMV+交通+社員証などのマルチアプリケーション |
| 構成 | v3 / v3CL / v3ML(対応インターフェースは構成による) |
対応端末・環境
カード発行工程およびスクリプト開発環境での使用を想定。対応アプリ種別は見積時に確認します。
試験構成・ライセンス例
公開情報に基づく構成・ライセンス名称の例です。現行の販売SKU、必要なハードウェアオプション、規格版は見積時に確認します。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| Analog | RF電磁界・変調度・波形 |
Barnes International 系。旧構成表由来を含むため、現行SKU・規格版は見積時に確認します。
主な機能
| スクリプト開発 | 業界標準のTCLスクリプト言語。カード操作・ユーザー対話・結果表示・ログ生成まで制御できるAPIと、チップカード試験の定番手順を集めたTCLライブラリを同梱(API・ライブラリとも完全文書化) |
| マルチアプリ試験 | スクリプトベースの試験を単体実行、または連結して1回のカード挿入でマルチアプリ試験(チップ+磁気の両データ確認を含む) |
| 用途 | 独自決済アプリ・マルチアプリカード(EMV+ロイヤルティ等)の開発・検証。EMV決済アプリの標準テストスイート同梱 |
| CL構成 | CAT 3000v3CL は CPT 3000v3CL と完全互換で、決済アプリを問わず強力なLevel 2テストプラットフォームを提供 |
| 動作環境 | Windows 7・10・11(32/64bit)。3K7ほか各リーダー対応 |
実機写真

CPT / CAT シリーズの選び分け
CPTは「決められた仕様に合っているかを検査する」製品、CATは「検査ロジックそのものを開発できる」製品です。認証モジュールはCPT/CAT上で動作する追加ソフトウェアで、単独製品ではありません。
| 製品 | 主な役割 | 対象インターフェース | 独自スクリプト開発 |
|---|---|---|---|
| CPT 3000v3 | 接触EMVカード/磁気ストライプのPVT | 接触IC・磁気 | 原則なし(QuickTest設定中心) |
| CPT 3000v3CL | 非接触・デュアルI/Fを含むPVT | 接触・非接触・磁気・NFCデバイス | 原則なし |
| CPT 3000v3ML | モバイル決済・SIM/UICCの検証 | NFC・SWP・接触・非接触 | 原則なし |
| CAT 3000v3 / CL / ML | CPT機能+独自テストスクリプト開発 | 構成による | あり(Tcl) |
| 認証テストモジュール | ブランド固有のPVT/認証試験 | モジュールによる | ブランド定義済み |
| G2V2 Tachograph Card Test Tool | デジタル/スマートタコグラフカードの検証 | ISO/IEC 7816 接触 | — |
プラットフォーム世代(v3 と v4)
調達時にご確認いただきたい点です。Barnes 公式サポート情報では、CPT 3000v3/CAT 3000v3 の現行コア版は 3.71.0(2026年3月31日)、CPT v4 は 4.3.1.239(2026年5月15日)です。v3系は Visa Europe Self-Service やその他スキームの認証モジュール、品質管理(Quality Control)で引き続き現行版が提供されています。一方、Mastercard・Visa Global Self-Service・JCB・Discover の各認証モジュールは CPT v4 側で提供されます。対応モジュール、ライブラリ版、認証スキームは導入時に再確認します。
| 状況 | 推奨する判断 |
|---|---|
| 既設 CPT 3000v3 で既存カードを継続検査 | v3 の保守継続が可能な場合があります |
| 新規導入 | 原則として CPT v4 を先に検討します |
| 特定ブランドの旧モジュールを利用 | v3 互換性を個別に確認します |
| Visa / Mastercard の最新自己認証 | v4 が必要になる可能性が高い構成です |
| CAT の独自スクリプト資産がある | v4 への移行可否、Tcl 互換性、変換費用を確認します |
| v3CL / v3ML 専用リーダーを所有 | v4 での再利用可否を確認します |
本体を導入すれば全ブランドの認証が可能になる構成ではありません。本体、CL/ML機能、ブランドモジュール、Host Simulation、HSM接続、リーダー、保守・スクリプト更新が、それぞれライセンスまたはオプションになる場合があります。新規のご提案では v4 を基本プラットフォームとし、必要なモジュールを個別構成することをお勧めしています。
導入構成の例
用途に応じて必要な要素が変わります。見積時にはリーダーとライセンスのインターフェース範囲を必ず確認します。
| 用途 | 構成要素 |
|---|---|
| EMVカードの標準構成 | CPT v4 または CPT 3000v3 + Barnes 3K7 Triple Interface Reader + 対象ブランド用PVTスクリプト + 対象ブランド Certification Module + 年間保守/スクリプト更新 |
| 暗号検証を含む構成 | 上記 + Host Simulation Module + 発行者鍵、または HSM Interface + 対象HSM |
| 独自カードアプリ開発 | CAT 3000v3CL/後継CAT環境 + Tcl Script Development + 接触/非接触リーダー + 必要に応じて Host Simulation/HSM |
| モバイル/UICC | CPT または CAT の ML 構成 + SWP Reader + NFC Reader + 実機ハンドセット + 対象モバイルブランドスクリプト |
| タコグラフカード | G2V2 Tachograph Card Test Tool + ISO 7816対応リーダー + G1/G2V1/G2V2テストスイート + 対象カード種別ライセンス + テスト証明書/鍵セット + 必要に応じてHSM |
導入用途
- 新規開発時の カード発行・QC 検証立ち上げ
- 構成変更・アップデート後の回帰
- 認証取得に向けた前段の網羅確認
認証との関係
適合試験用。認証取得が必要な場合は横断の認証サービスをご案内します。
