CPT 3000v3
EMVパーソナライゼーション検証ツール(PVT)。カード1枚の挿入で、ICチップと磁気ストライプの発行データを発行者プロファイルとブランド仕様に照合し、Pass/Fail を判定します。端末側のEMV L2カーネル試験とは目的が異なる、カード発行の品質保証装置です。
解決する検証課題
CPT 3000v3は、13.56MHzのRF物理層。EMVCo L1 は Analog(物理・電気/無線)と Digital(プロトコル符号化)の両方を含みます。信号チェーンの入口。このフェーズで発生しがちな抜け・属人化・再現性の問題を、体系的な試験で解消します。
検証範囲
カード1枚の挿入で、ICチップと磁気ストライプの発行データを発行者プロファイルおよびブランド仕様に照合します。
| 観点 | カバー範囲 |
|---|---|
| 検証対象 | ICチップ内パーソナライゼーションデータ / 磁気ストライプデータ / カード表面情報との整合性 |
| 照合先 | 発行者カードプロファイル / EMV仕様 / 国際・国内ブランド仕様 |
| 検出できる不備 | Track 2 Equivalent Data と磁気Track 2 の不整合 / AIP・AFL・CDOL・DDOL 構成不良 / PAN Sequence Number・有効期限の不一致 / タグ長・データ形式・必須タグ欠落 / AIDとプロファイルの不整合 |
| データ認証 | SDA / DDA / CDA(RSA) |
| 鍵・証明書 | Visa・Mastercard・JCB・Discover 等の公開鍵セット / 追加公開鍵のインポート / CA Public Key Index・Issuer Public Key 関連データ |
| 秘密鍵を使う検証 | ARQC・Issuer Authentication・Secure Messaging は Host Simulation Module または HSM 接続が必要 |
| マルチアプリ | 同一カード上の複数アプリケーション |
| インターフェース | 接触(ISO 7816)/磁気ストライプ |
対応端末・環境
カード発行・パーソナライゼーション工程での使用を想定。対応プロファイル・規格版は見積時に確認します。
試験構成・ライセンス例
公開情報に基づく構成・ライセンス名称の例です。現行の販売SKU、必要なハードウェアオプション、規格版は見積時に確認します。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| Protocol | フレーム/状態遷移/エラー処理 |
Barnes International 系。旧構成表由来を含むため、現行SKUは見積時に確認します。
主な機能
| マルチアプリ検証 | カード1枚の挿入で、チップ+磁気ストライプの単一/複数アプリケーションの発行データを高速検証。口座番号・発行/有効期限を表示しエンボスの目視照合も可能 |
| 診断・レポート | Pass/Fail表示+詳細ログ(Details Tree・Engineering Log・Test Report)。EMV・ブランド仕様へのハイパーリンクで問題を即特定 |
| セキュリティ・鍵管理 | PCI準拠のマスキング・ログアウト・ユーザー制御。SDA/DDA/CDA・RSA対応。Visa・Mastercard・JCB・Discoverの公開鍵一式を同梱(鍵管理システムから追加インポート可) |
| 運用機能 | QuickTestプロファイルで自社データ要件を定義/ネットワーク運用(スクリプト・プロファイル・鍵・レポートの集中管理)/リモートテスティング(サンプルカード輸送なしで遠隔評価・承認) |
| プラットフォーム | 現行世代は CPT v4(v4.3.1・2026年5月:ログ保存期間設定・結果自動保存・CSV出力改善など)。従来のCPT 3000v3系と併売 |
対応リーダー・動作環境
| カードリーダー | Barnes 3K7(磁気+接触+非接触のトリプルIF、モーター駆動)/3R1(金属・チタンカード対応)/60H(バッチ試験用ホッパー付き、最大60枚)/3K3(磁気・JIS・接触)/PC/SC互換/SWPリーダー |
| OS | Windows 7・10・11(32/64bit) |
実機写真


量産・検査工程向け機能
カード製造・パーソナライゼーション工程での運用を想定した機能群です。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ユーザーアクセス制御 | オペレーター・エンジニア・管理者などの権限分離 |
| Batch Test | 複数カードの連続検査(Barnes 60H Batch Reader で最大60枚の自動検査構成) |
| Event Logging | 操作・検査履歴の記録 |
| PCI対応表示制御 | PAN等のマスキング、ログアウト、レポート制御 |
| QuickTest | 発行者独自の検査条件を簡易設定 |
| Result Summary | 生産オペレーター向けの Pass/Fail 表示 |
| Detailed Result Tree | データ要素単位の検証結果 |
| Engineering Log | APDU・データ解析・エラー原因の詳細確認 |
| Network Capability | 複数装置のスクリプト・鍵・プロファイル・レポートを集中管理 |
| Remote Testing | カードサンプルを送らず、遠隔側でカード評価を行う構成 |
CPT / CAT シリーズの選び分け
CPTは「決められた仕様に合っているかを検査する」製品、CATは「検査ロジックそのものを開発できる」製品です。認証モジュールはCPT/CAT上で動作する追加ソフトウェアで、単独製品ではありません。
| 製品 | 主な役割 | 対象インターフェース | 独自スクリプト開発 |
|---|---|---|---|
| CPT 3000v3 | 接触EMVカード/磁気ストライプのPVT | 接触IC・磁気 | 原則なし(QuickTest設定中心) |
| CPT 3000v3CL | 非接触・デュアルI/Fを含むPVT | 接触・非接触・磁気・NFCデバイス | 原則なし |
| CPT 3000v3ML | モバイル決済・SIM/UICCの検証 | NFC・SWP・接触・非接触 | 原則なし |
| CAT 3000v3 / CL / ML | CPT機能+独自テストスクリプト開発 | 構成による | あり(Tcl) |
| 認証テストモジュール | ブランド固有のPVT/認証試験 | モジュールによる | ブランド定義済み |
| G2V2 Tachograph Card Test Tool | デジタル/スマートタコグラフカードの検証 | ISO/IEC 7816 接触 | — |
プラットフォーム世代(v3 と v4)
調達時にご確認いただきたい点です。Barnes 公式サポート情報では、CPT 3000v3/CAT 3000v3 の現行コア版は 3.71.0(2026年3月31日)、CPT v4 は 4.3.1.239(2026年5月15日)です。v3系は Visa Europe Self-Service やその他スキームの認証モジュール、品質管理(Quality Control)で引き続き現行版が提供されています。一方、Mastercard・Visa Global Self-Service・JCB・Discover の各認証モジュールは CPT v4 側で提供されます。対応モジュール、ライブラリ版、認証スキームは導入時に再確認します。
| 状況 | 推奨する判断 |
|---|---|
| 既設 CPT 3000v3 で既存カードを継続検査 | v3 の保守継続が可能な場合があります |
| 新規導入 | 原則として CPT v4 を先に検討します |
| 特定ブランドの旧モジュールを利用 | v3 互換性を個別に確認します |
| Visa / Mastercard の最新自己認証 | v4 が必要になる可能性が高い構成です |
| CAT の独自スクリプト資産がある | v4 への移行可否、Tcl 互換性、変換費用を確認します |
| v3CL / v3ML 専用リーダーを所有 | v4 での再利用可否を確認します |
本体を導入すれば全ブランドの認証が可能になる構成ではありません。本体、CL/ML機能、ブランドモジュール、Host Simulation、HSM接続、リーダー、保守・スクリプト更新が、それぞれライセンスまたはオプションになる場合があります。新規のご提案では v4 を基本プラットフォームとし、必要なモジュールを個別構成することをお勧めしています。
導入構成の例
用途に応じて必要な要素が変わります。見積時にはリーダーとライセンスのインターフェース範囲を必ず確認します。
| 用途 | 構成要素 |
|---|---|
| EMVカードの標準構成 | CPT v4 または CPT 3000v3 + Barnes 3K7 Triple Interface Reader + 対象ブランド用PVTスクリプト + 対象ブランド Certification Module + 年間保守/スクリプト更新 |
| 暗号検証を含む構成 | 上記 + Host Simulation Module + 発行者鍵、または HSM Interface + 対象HSM |
| 独自カードアプリ開発 | CAT 3000v3CL/後継CAT環境 + Tcl Script Development + 接触/非接触リーダー + 必要に応じて Host Simulation/HSM |
| モバイル/UICC | CPT または CAT の ML 構成 + SWP Reader + NFC Reader + 実機ハンドセット + 対象モバイルブランドスクリプト |
| タコグラフカード | G2V2 Tachograph Card Test Tool + ISO 7816対応リーダー + G1/G2V1/G2V2テストスイート + 対象カード種別ライセンス + テスト証明書/鍵セット + 必要に応じてHSM |
導入用途
- 新規開発時の カード発行・QC 検証立ち上げ
- 構成変更・アップデート後の回帰
- 認証取得に向けた前段の網羅確認
認証との関係
適合試験用。認証取得が必要な場合は横断の認証サービスをご案内します。
